学童に子どもを預けることを予定しているものの、どこに預ければよいかがわからず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。学童には公立と民間があり、特徴やメリット・デメリットが異なります。なお、学童の費用や預かり可能時間などについては地域で異なるため、お住まいのエリアの情報を集めましょう。
今回は、学童保育の定義や公立・民間の違いなどについて詳しく解説します。
学童は正式名称を「放課後児童健全育成事業」といい、放課後に自宅へ帰っても保護者が就労などの理由で自宅にいない小学生のために設けられた施設・制度のことです。下校から保護者が自宅に帰るまでの間の「生活の場」を提供することを目的としています。
学童を選ぶ際に必ず注目したいのが、どのような「生活の場」を提供しているかです。生活の場とは、子どもの心身が休まり、自宅にいるときのように宿題をしたり大人と会話したりできる場のことです。
また、そのとき限りの生活の場ではなく、長期間継続して利用することを想定しなければなりません。さらに、生活の場になる専用の施設(部屋)、保護者の代わりとなる指導員も必要です。
学童には、各自治体が運営している「公立学童」と、企業やNPO法人などが運営する「民間学童」があります。
公立学童は「放課後児童クラブ」ともいい、各自治体が運営している学童です。開始時刻は平日の12時から14時頃で、18時以降に終了する施設がほとんどです。中には19時頃まで預かりが可能な施設もあります。
施設の場所は学校の敷地内や児童館などで、保育園や公民館などに併設されているケースも少なくありません。費用は月額4,000~10,000円程度と施設によって異なります。
宿題をする時間が設けられている施設もありますが、子どもに勉強させる場ではないため強制ではありません。また、入所できるのは保護者が仕事や疾病、介護などの事情で下校後に子どもを見ることができない場合に限ります。
民間学童は、NPO法人や企業などが運営している学童です。公立学童とは異なり、入所の条件は子どもの年齢のみで、保護者の事情に関する条件は設けられていない施設がほとんどです。小学生だけではなく幼稚園・保育園に通う子どもが入所できる施設もあります。
民間学童によっては、子どもが楽しめるプログラムが用意されているほか、習い事レッスンや学習塾としての機能も備えています。預かり可能時間は12~14時頃から20時や21時頃までと、公立学童よりも長い施設も少なくありません。費用は公立学童よりも圧倒的に高い月額30,000~70,000円程度です。
公立学童と民間学童のどちらを選ぶか悩む方は多いのではないでしょうか。比較ポイントをチェックして、どちらの方が適しているのかを考えましょう。
公立学童 | 民間学童 | |
預かり時間帯 | 18~19時頃 | 20~21時頃 |
費用 | 月3,000~10,000円 | 月30,000~70,000円 |
子どもの過ごし方 | ・公立学童は宿題の時間が設けられているものの、勉強を強制させることはない ・児童同士の交流を目的としてプログラムが組まれている場合もありますが、民間学童ほどは充実していない傾向がある | ・運営方針に基づき多彩なプログラムを用意している ・学習塾や習い事レッスンとしての機能も備えている |
向いている家庭 | ・夕方頃には帰宅している ・近くの子どもたちと仲良くなって欲しい ・家計の都合でなるべく費用を抑えたい | ・残業で帰宅が遅くなることが多い ・より多くの学び |
曜日や日によって公立学童と民間学童を使い分けるのも1つの方法です。ただし、公立学童によっては民間学童との併用を禁止しているため、規約を事前に確認しておきましょう。公立学童と民間学童を併用できれば、残業が多い日は民間学童、定時で退社できる日は公立学童といった使い分けが可能です。
子どもの帰宅を理由に定時退社をお願いするようなわずらわしさもありません。予算が許す範囲で公立学童と民間学童の併用を検討しましょう。
学童では、遊びや勉強を通じて子どもの学習面や情緒面を伸ばすことができます。公立学童と民間学童で預かり時間帯や費用、子どもの過ごし方などが異なるため、家庭の事情や子どもの教育方針、子どもの向き不向きなどを考慮して、単なる預かりの場としてではなく、子どもにとってより良い生活の場となる学童を探しましょう。
執筆者:加藤良大