読書感想文は学校の宿題として出されることも多い課題ですが、苦手という子も多いようです。
読書感想文を書くための最初のステップは、なんといっても本選びです。本の内容やお子さんとの相性によって、読書感想文への取り組み方は大きく変わります。書き方のコツを身につけるのとあわせて、適切な「本選び」をすることで、より読書感想文をスムーズに書くことができるでしょう。
今回は、小学生が読書感想文の本を選ぶためのポイントについて解説します。まず、学年によらず共通の注意事項について解説し、そのあと低学年・中学年・高学年ごとの選び方のポイントを紹介します。
まずは学年に関わらず共通の、本の選ぶときに注意してほしいポイントを解説します。
なにより、お子さんの興味のある本を選ぶことが大切です。保護者や学校に言われて興味のない本を読むことになってしまうと、感想文を書けないだけでなく、そもそも最後まで読み切れない場合もあります。
宿題として出る読書感想文の場合は、課題図書の中から選ばなければいけなかったり、ジャンルが決められていたりすることもあります。その場合は自由に選ぶというわけにはいきませんが、それでも制限の中でなるべく本人が興味の持てる本の候補を一緒に考えてあげられると良いでしょう。
もうひとつのポイントは、お子さん自身が本を選ぶことです。
保護者が「この本に興味を持つかな」と考えて本を選んでも、実際にはお子さんが見向きもしてくれなかった、ということは多いものです。保護者のおすすめがある場合も、お子さんと相談し、最終的にお子さん自身に選んでもらうのが良いでしょう。お子さんが「本を選ぶ」という経験をすることで、本への愛着やこだわりを持つことも期待できます。
また、選ぶときは図書館や書店などに行ってみるのがおすすめです。本の表紙や内容だけでなく、大きさや重さ、質感など、本を気に入るかどうかのポイントはさまざまです。実物を見ながら「どれがいい?」と相談してみてください。選んだあとに、その場で手に入り、愛着を持ちやすくなることも図書館や書店の良い点ですね。
ここからは、低学年・中学年・高学年ごとの本の選び方のポイントを紹介します。
低学年の子の場合、「最後まで楽しんで読み切ることができること」に気をつけてあげると良いでしょう。
低学年の子だと、ボリュームの大きい本は最後まで読み切るのが難しい場合もあります。また内容についても、「興味がないものも読んでみる」というのはまだまだ難易度が高いでしょう。
興味を持てる本を選ぶのは学年に関わらず大切であると書きましたが、低学年の子の場合は他の学年よりも特に「今の時点のお子さんが興味のある本を選ぶ」ことが重要ということですね。
ある程度の文字数が多い本も読めるようになり、興味の幅も広がってくる時期でもあります。このタイミングで、「名作」といわれる本にチャレンジしてみるのも良いかもしれません。興味の幅が広がってくることで「読む前からお子さんが興味を持っている本」だけでなく「最初は興味がなかったが、読んでみると興味を持てた」という流れが期待できます。
少しだけ背伸びをして、多くの人が読んでいる「名作・古典」といわれるものの中から、お子さんの興味に近い内容の本を選んであげてはどうでしょう。たとえば、お子さまと同年代の子どもや身近な人が主人公の本であれば、そのような本でも理解・共感しやすいかもしれません。
もちろん、お子さんが最後まで楽しんで読み切ることができるのが重要です。途中で読むのをやめてしまったり、楽しめていなさそうだったりしたときは、他の本を検討するなど柔軟にアドバイスしてあげてください。
高学年になると、本を読む子・読まない子の差も非常に大きくなってきていることでしょう。
本を読む子であれば、これまでに本を読んできた経験から、興味のある本を自分で判断できるかもしれません。ただ、本をあまり読まない子であれば、自身で選ぶのは少しハードルが高いでしょう。そのようなときは保護者がおすすめを考えてあげるのが良いですね。
高学年になると、本に限らず、趣味や興味の対象もさまざまです。強いこだわりがあったり、独自の世界ができたりしている子も多くいます。特に本を読まない子は、そのような「今持っている興味」と相性の良い本を選んであげることが、本選びの鍵となる場合があります。
たとえば、昆虫が好きな子であれば昆虫研究家の伝記や研究レポート、アニメや漫画が好きな子であればサブカルチャーに関するルポルタージュなどもおすすめです。
高学年になってくると、お子さんの趣味や好みを保護者が理解するのも大変になってきます。ただ、もし可能であれば、保護者自身が楽しみの幅を広げるつもりで、一緒に体験しながら、お子さんと同じ世界を感じてみるのもおすすめです。お子さまへの理解が進み、「このような本であればうちの子も興味を持つかも」と良い案が浮かぶかもしれません。
読書感想文の本選びのときは、お子さんが興味を持ち、楽しんで最後まで読めるものを選ぶことが大切です。この点は学年に関係ありません。
ただし、「どのくらいの量を読めるか」「興味の対象は何か、どこまで範囲を広げられるか」といったポイントはお子さんによってさまざまです。今回の記事の内容は意識しつつも、「この学年だからこれを選ばなければいけない」と考えすぎず、お子さんに合った本を一緒に選んであげてください。
また、書き方のコツについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
(ここに同時納品のNo.2「読書感想文の書き方のコツ」の記事リンクを入れてください。
文言はページタイトルと同様で問題ございません。例「読書感想文をスムーズに書くには? 基本的な構成と書き方のコツ」)
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執筆者:杉本啓太
参考サイト:
小学生の読書感想文がみるみる上手くなる!書き方のコツや課題図書などをレクチャー
読書感想文の書き方を小学生の子どもに教えるコツ!
https://manabi-with.shopro.co.jp/manabico/1192
読書感想文書き方特集
【小学生の読書感想文】感想を引き出す5つのコツと書き方
https://kosodatemap.gakken.jp/information/news/26174/
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https://style.ehonnavi.net/ehon/2018/07/26_162.html
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