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多くの子どもが10歳ごろにぶつかる「小4の壁」。成長の過程で現れる小4の壁を乗り越えるには、どうしたらよいのでしょうか。小4の壁とは何なのか、原因として考えられること、子どもに対してどのように接したらよいかなどについてまとめていきます。

「小4の壁」が起こる原因は、学習のつまずきや人間関係など

小学4年生(9~10歳)ごろになると、学習でのつまずきや人間関係の悩みが生じやすくなります。そういった困りごとに子どもが直面することを「小4の壁」といいます。

具体的にどのような困りごとが見られるのでしょうか。

学習内容が難しくなる

学習内容が難しくなり、授業についていけなくなる子どもが増えてきます。国語では、課題となる文章が複雑になり、正確な意味を読み取る読解力が求められるようになります。また、算数では面積の計算などの抽象的な概念が出てきて、理解が追いつかなくなることがあります。

他者と自分を比べて劣等感を持つ

成長の段階で少しずつ自分を客観視できるようになり、他者と自分を比べるようになるのもこの時期です。友達と比較して「自分はできていない」と劣等感を持ってしまいがちです。劣等感を抱くと、次々と自分の短所に目が行ってしまい、自己肯定感が下がる原因となります。

友達とのトラブルが生じやすい

先生や保護者に従っていた低学年のころに比べ、子ども同士で行動することが増えて友達との関係が深まる年齢です。

仲間意識ができるのはよいことですが、距離が近くなり過ぎてトラブルが生じることもあります。ちょっとしたことがけんかや仲間外れにつながったり、なんとなくクラスになじめなくなったりすることもあります。

放課後の居場所がなくなる

保護者が仕事を持っているという家庭では、小学4年生になると学童保育が利用しにくくなるという問題もあります。実際に、待機児童の割合が最も多いのは小学4年生というデータも出ています(※)。

また、学童保育は小学6年生まで利用できることになっていますが、実際のところ4年生になると行きたがらなくなる子どもも多く、小学4年生で学童保育をやめる子どもが増加します。

一人で留守番をするようになり、子どもが孤独を感じる原因ともなります。

(※)厚生労働省「令和4年(2022年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」

https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/001029590.pdf

小4の壁にぶつかったらどうする?その対処方法とは

小4の壁にぶつかったとき、保護者はどのように子どもをフォローしたらよいのでしょうか。

学習のサポートをする

学校の授業についていけていないと感じたときは、学習フォローをした方がよいでしょう。具体的なサポート方法をご紹介します。

1) わからなかったところに戻ってやり直す

まずは、どこで学習内容がわからなくなったのか、確認することが大切です。

特に算数は、4年生でわかっていないと5年生、6年生と学年が進んでいくごとに、理解が難しくなっていきます。

計算問題や九九など基礎的なところがしっかりできているかをよく確認し、ある程度問題数をこなして知識を確実にしていきましょう。

国語では、3年生までの漢字がきちんと理解できているかをよく確認しましょう。漢字の知識があいまいだと、文章の読解にも影響します。また、読解力を鍛える一助として、本を読むようにするのもよいでしょう。

2) 図に描いて説明する

算数の文章題では、何を聞かれているのかがわからないということがあります。そのようなときは、問題文を図に描いて、どの部分を求めるのかを視覚的に理解させるのがおすすめです。文章ではよくわからなかったことも、図にするとわかりやすくなるものです。

国語に関しても、指示代名詞が何を指すのかなど、言葉や文を丸で囲ったり線を引いたりすると見た目にわかりやすくなります。

3) 補習塾を利用する

保護者が十分に勉強を見てあげられない場合は、補習塾で見てもらうとよいでしょう。集団授業よりも、少人数指導か個別指導をしてくれるところがおすすめです。

小さなことでもほめて自己肯定感を高める

劣等感を抱いて自己肯定感が下がっている様子なら、小さなことでもこまめにほめることが大切です。子どもは何年生になっても、保護者にほめられるとうれしいものです。

勉強に限らず、日常生活の中で何か手伝ってくれたり助けてくれたりしたときに「ありがとう」というのも効果的です。

上から目線で「えらいね」と言うよりも、「ありがとう」と言われると、保護者の役に立てたと感じられ、自信がついていくでしょう。

子どもとコミュニケーションをとり悩みごとを把握する

小学4年生くらいになると、自立心が芽生えて保護者の言うことを聞かなくなることもよくあります。

反抗的な態度を取られると、気分が悪くなることもあるかもしれません。しかし、まだまだ見守りが必要な年齢でもあり、突き放してコミュニケーションがとれなくなるような事態は避けたいものです。

普段から子どもと十分なコミュニケーションがとれていれば、何か悩みごとがあったとき、すぐ保護者に相談することができるでしょう。突き放し過ぎず、干渉し過ぎないほどよい距離感で、子どもを見守ることが大切です。

放課後の過ごし方を考える

学童に入れないときや、やめてしまったときの放課後の過ごし方を考えておくことも必要です。学習フォローの意味で塾へ通うのもよいし、習い事の日数を増やすのもよいでしょう。

また、保護者が働き方のスタイルを見つめ直し、子どもと過ごす時間を作るのも一つの考え方です。時短勤務やフレックスタイムの利用ができないか、勤務先に相談してみてはいかがでしょうか。

子どもの成長を信じて見守ることが大切

多かれ少なかれ、子どもが経験する小4の壁。ときには子どもの様子にイライラさせられることもあるかもしれませんが、子ども自身も苦しみをうまく表現できていない可能性があります。

子どもは日々成長していくものです。成長過程の一つと考えて、見守る姿勢を持つことが大切です。

小4になり、お子さまの学習が少し心配だと感じたときは、オンライン学習の「ことばパーク」をぜひご利用ください。

執筆者:五十嵐麻弥子

参考資料

1) 「小4の壁とは?原因や乗り越えるサポート方法をケース別に解説!」楽天ママ.

https://event.rakuten.co.jp/family/story/article/2022/4th-grade-wall

2) 「「小4の壁」とは?起こる変化の内容・原因・対処法を徹底解説」ウィズダムアカデミー.

https://wisdom-academy.com/news/column/4grade_wall

3) 「小4の壁の壁とは?学童を辞めた後の過ごし方や勉強への対策・乗り越え方」コエテコ.

https://coeteco.jp/articles/12511

4) 「小4の壁って何?よくみられる行動を紹介|小4の壁の原因と保護者のサポート方法も解説」まなびち.

https://bsc-int.co.jp/media/4773