子どもがこれから学びを深めていく中で、家庭学習の習慣をつけることはとても重要です。ただ、「子どもが家ではなかなか勉強しようとしない」という悩みを抱えている保護者も多いものです。本記事では小学生の子どもが家で勉強しない理由と、その対策についてまとめます。
子どもはなぜ、家で勉強することができないのでしょうか。考えられる理由について見ていきましょう。
子どもはもちろん大人にとっても、家はリラックスして落ち着けるところです。学校でがんばってきた分、家に帰るとホッと気が緩むのは当然のことです。すぐにゴロゴロできるため、学校の疲れが出てそのままウトウトしてしまうこともあるでしょう。心身ともに休みモードになるため、なかなか勉強する気にならないのです。
家にはマンガやゲーム機、おもちゃなど、子どもの気を引くものがたくさんあります。学校から帰ってきたら、勉強よりも楽しいことをして遊びたいものです。ついつい遊ぶものに手が出てしまい、なかなか勉強することに気持ちが向かいません。
家で勉強するときは、自分から勉強に取り組む必要があります。「勉強しよう」というモチベーションがないと、自分から机に向かうのは難しいといえます。
学校や学習塾などでは周囲が勉強しているため、雰囲気も後押しして勉強できますが、一人で取り組むのはハードルが高いものです。
家には家族がいるため、さまざまな音がします。誰かが電話をしている声や年下のきょうだいが騒いでいる音、テレビの音や掃除機の音などが、子どもの集中力を削いでしまいます。
子どもによっては、周囲の音が気になって勉強に集中することができないケースがあります。
勉強の仕方がわからなくて、一人で勉強できないというケースもあります。何から手をつけたらよいのかわからない、どこがわからないのかが理解できないといった理由で、なかなか勉強が進まないのです。
子どもが家で勉強できない理由がわかってきたところで、その解決方法についてご紹介します。
子ども部屋で勉強していても集中できない様子なら、保護者の目が届くリビング学習にしてみるとよいでしょう。保護者が見守ってくれていることを感じると、安心して集中できることもあります。
また、わからないところが出てきたとき、保護者にすぐ質問できるのもよいところです。
勉強を始める前に、どうしてもゲーム機やマンガなどの遊び道具に手が伸びてしまう場合は、まず片付けをしてから勉強するようにしましょう。
また、机の上には勉強に関わるもの以外は置かないようにして、気が散らないよう配慮します。
一人で勉強するのが苦手な場合は、友達と一緒に勉強するのもおすすめです。勉強が終わったら、一緒に遊べるという目標があると、集中して課題を終わらせることができるでしょう。
友達だけではなく、きょうだいで一緒に勉強してもよいでしょう。同じ時間帯に勉強タイムを設けることで、家庭での生活習慣が整っていくというよさもあります。
机に向かっていても、集中しないでダラダラ時間がたっていくということも多いものです。そのようなときは、勉強を終える時間を先に決めてしまいましょう。
「○時までに終わらせる」という目標があると、子どもは集中して勉強に取り組むことができるようになります。タイマーを使って時間を区切るのも、集中力を高めるのにおすすめの方法です。
子どもはまだまだ筋力が弱く、体に合った机と椅子を使っていないと正しい姿勢を保つのが難しいところがあります。リビング学習で大人用の椅子に座っていると、姿勢を保てず集中力が途切れるケースがあります。
ダイニングテーブルをそのまま使うのではなく、リビングの中に子ども専用の学習スペースを作り、体に合った机と椅子を用意するのも一つの方法です。
子どもが勉強しているときは、電話をしたりテレビをつけたりしない、年下のきょうだいは他の部屋で遊ばせるなど静かな環境を整えることも大切です。
他のスペースがない場合は、耳栓やノイズをカットするイヤホンをするなどして、音を遮断するという方法もあります。
朝目覚めてからの2時間は、脳がリフレッシュしていて集中しやすいといわれています。夜は早めに寝て朝早く起き、集中できる時間帯を有効活用するのもおすすめです。
勉強の仕方がわかっていないときは、学習フォローが必要になります。自分に合った勉強方法がわかれば、一人でも勉強できるようになるはずです。それまでは、保護者が付き添って、丁寧にフォローすることも大切です。
どうしても時間がとれない場合は、学習塾や通信教育などを利用してみるとよいでしょう。
最後に、学年ごとの家庭学習のフォローの仕方についてまとめます。
低学年の間は、「勉強が楽しい」と感じてもらうことが大切です。
子どもが勉強の準備を始めたら、「自分から取り組めた」というその姿勢をほめてあげましょう。できないことを注意するだけではなく、できるようになったことに注目して、子どもが達成感を得られるような声かけをしましょう。
勉強の仕方にも慣れてきて、ある程度自分で勉強を進めることができる時期です。ただ、学習内容が難しくなってくるため、わからなくなって途中で勉強が嫌になってしまうこともあります。ときどき学習内容を確認したり、わからないところがないか聞いたりするよう心がけましょう。
高学年になると、家庭での学習時間をある程度長くとる必要も出てきます。ただ、ダラダラと机に向かっているケースもあり、集中して取り組めているかどうかを見ておくことも必要です。
自立心も育ってきているため、あまりうるさく「勉強しなさい」と言うと、かえってやる気がなくなってしまうこともあります。干渉し過ぎることなく、見守る姿勢が大切です。
家で勉強するのが苦手なお子さまには、家庭でできるオンライン学習「ことばパーク」をおすすめします。丁寧な指導でお子さまのやる気を引き出し、学力アップのサポートをしていきます。
執筆者:五十嵐麻弥子
参考資料
1) 「子どもが家で勉強できないのはなぜ?自宅学習のポイントを解説」そろばんToZ.
2) 「家で勉強できないときはどうしたらよい?お子さまが自分で勉強するためのガイド」明光プラス.
https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/other/20220516.html
3) 「家で勉強できない理由と今すぐ試せる解決法」マナベルstudy.
https://www.piala.co.jp/jyuku/cant-study-at-home
4) 「家で勉強できないのは甘えじゃない。簡単に集中できる2つのコツ」合格きっぷ.