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ことばパークの豊富なノウハウをコラムでおとどけ ことばパークの豊富なノウハウをコラムでおとどけ

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子どもを正しく叱ることは、成長を促すうえで欠かせないことといえるでしょう。ただ、叱り方を間違えると、子どもが傷ついてしまったり、その後のコミュニケーションがうまくとれなくなったりすることもあります。上手な叱り方について、考えていきましょう。

子どもを上手に叱るには「子どもを正しい方向に導くこと」を意識する

子どもの叱り方は難しく、悩んでしまうことも多いでしょう。気づくと子どもを叱ってばかりいて、保護者自身が嫌になってしまうこともあるものです。

子どもを上手に叱るには、どのようなことを心がければよいのでしょうか。

怒るのではなく「教える」「伝える」と考える

叱ることは、感情的に怒ることでも子どもに謝罪をさせることでもありません。子どもに誤っているということを教え、正しい方向に導くのが叱るということです。

子どもの間違った行動を見ると腹が立つこともありますが、怒っているだけでは子どもに正しい内容が伝わりません。

叱るときには「教えている」「伝えている」ということを、意識するのがポイントです。

間を空けずその場で叱る

危険なことをしたときや相手を傷つけるようなことをしたときなどは、その場ですぐに叱ります。

間を空けると子どもは何がいけなかったのか、思い出せなくなってしまいます。今とった行動が間違っているということを、その場ですぐに伝えることが大切です。

子どもの目を見て叱る

叱るときには子どもと目線を合わせることも意識しましょう。しっかり目を見て話すと、大切な話をしているということが子どもにも伝わります。子どもは保護者が真剣に話していることを感じ、今後気をつけなければならないことだと理解するはずです。

子どもの気持ちを聞いてみる

「嫌なことを言われて友達を叩いてしまった」「ボールがなくなると困ると思い、ボールを追って道路に飛び出した」など、子どもにはその行動をとった理由があるものです。

理由を聞き「そう思ったんだね」と子どもの気持ちを受け止めたうえで、手をあげずに解決する方法がある、道路に飛び出すと命にかかわる危険があるといったことを説明しましょう。

叱る理由を伝える

大人からすると「ダメ!」と言えば、その理由が伝わると思いがちですが、子どもは何がダメだったのか具体的にわからないことがあります。

何がどのようにいけなかったのか、叱る理由を具体的に説明し、子どもに理解させることが大切です。

今後どうするかを考える

いけなかったことや失敗を叱るだけではなく、今後はどのようにしたらよいのかをセットで教えることも大切です。

忘れ物をしてしまったなら、忘れないためにメモをする、早めに準備をするといった対策が立てられます。また、物を壊してしまったときは、置き場所に気をつける、運ぶときに注意するなどのアドバイスができるでしょう。

同じようなことをくり返さないために、今後できることを考えて叱りましょう。

子どもに伝わらない叱り方 保護者が避けるべきポイントとは

上手な叱り方がわかったところで、避けた方がよい叱り方についてもまとめておきましょう。

怒鳴る・手をあげる

子どもに対してイライラしてしまい、大声で怒鳴るのはよくありません。もちろん、叩いたり蹴ったりするのは言語道断です。

子どもは恐怖でいっぱいになり、何がいけなかったのかを十分理解することができなくなってしまいます。また、保護者に怒られるのが嫌で萎縮してしまい、何事にも積極的に取り組めなくなることもあります。

大人の怒りは思っている以上に子どもに大きなダメージを与えます。感情的になってしまったときは、少し気持ちを落ち着かせてから子どもと接するようにしましょう。

人と比べる・人格を否定する

友達やきょうだいなどと比較するのは避けましょう。他者と比較して劣っているという言い方は、子どもの自信を失わせることにつながります。

また、「頭が悪い」「嘘つき」「どうせできない」など、子どもの人格を否定するような言い方もよくありません。子どもを傷つけるだけで、正しい方向に導くことはできないでしょう。

しつこくいつまでも叱る

子どもの集中できる時間は短く、あまり長い時間叱っていると内容が入っていかなくなります。最初に注意されたことも忘れてしまうため、叱る効果がなくなってしまいます。

また、「この間もこんなことがあったよね」などと以前のこと蒸し返すと、子どもは何について叱られているのかが、よくわからなくなります。

子どもを叱るときは、一つのことを端的に叱るのがポイントです。

一貫性なく叱る

叱る内容に一貫性がないと、正しいことと間違っていることがわかりにくくなります。

家にいるときと外にいるときで言うことが違ったり、許されるときと許されないときがあったりすると、子どもは混乱してしまいます。子どもはいつ叱られるかわからないため、大人の顔色をうかがいながら行動するようになることもあり、注意が必要です。

言い過ぎたときは謝ることも大切 改善したらたくさんほめる

発達途中の子どもは、ときに間違った行動をしてしまうものです。腹が立つこともあるかもしれませんが、よく理解できていなかったり、悪気がなかったりすることもあります。感情的になってしまったときは、深呼吸をする、いったんその場を離れるなど、保護者自身の気持ちを落ち着かせてから冷静に話をするようにしましょう。

また、言い過ぎたと思ったときは子どもに謝ることも大切です。保護者が素直に謝ることで、「言い過ぎてしまったときは謝るもの」と、子どもに理解させることができるはずです。

叱ったあとは、いつまでも引きずることなく、前向きな声かけをして早めに切り替えていきましょう。

叱るだけではなく、改善できたときには子どもをたくさんほめてあげてください。

上手な叱り方をしても子どもにうまく伝わらないときは、子どもの理解力を高めることも大切です。理解力を高めるには、ワーキングメモリに働きかけるのが効果的です。

その際には、ワーキングメモリを鍛える効果のあることばパークの学習を、ぜひお試しください。

執筆者:五十嵐麻弥子

参考資料

1) 「小学生の子どもへの上手・NGな叱り方|叱るときに大切なこと」京進まなチャンネル.

https://www.kyoshin.co.jp/manach/detail/663939

2) 「小学生の叱り方のコツとは?知っておきたい伸ばす叱り方、ダメな叱り方」キッズカウ.

https://kidsplanet.co.jp/council/knack_of_scole

3) 「叱り上手は子育て上手! 小学生を伸ばす叱り方とは」ベネッセ教育情報.

https://benesse.jp/kosodate/202011/20201127-4.html

4) 「子どもの叱り方ってどうすれば良いの?感情的にならないためには?」ママソレ.

https://mama.chintaistyle.jp/article/how-to-scold-children