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不登校の子どもは増加傾向にあり、学校以外の学び場としてフリースクールが注目されつつあります。ただ、フリースクールが実際どのようなところなのか、よくわからないという保護者も多いことでしょう。フリースクールの実際について、ご紹介していきましょう。

学校へ行かなくなった子どもや保護者のサポートをする「フリースクール」

以前は子どもが不登校になると「学校に戻す」という考え方が主流でしたが、2017年に「教育機会確保法(※)」という法律が施行され、学校以外の場所でも子どもが教育を受けられるようにすることが認められました。

フリースクールは、不登校の子どもの学習活動や体験活動の場として、大きな役割を果たしています。

※義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(概要)

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1380956.htm

フリースクールの特徴

フリースクールは、「学校」という環境に合わなかった子どもたちやその保護者をサポートする場所といえます。

子どもの居場所として提供されているところもあれば、カリキュラムを組んでしっかり学習指導を行うところもあります。また、心理の専門家を置いているところや、語学・ICT技術などの専門分野が学べるところなど、サービス内容はさまざまです。

在籍している小学校との連携

「スクール」と名前がついていますが、フリースクールは学校ではありません。子どもは、もといた学校に籍を置いたまま、フリースクールに通うということになります。形式としては、塾に通うのと同じようなイメージです。

フリースクールでの活動状況は在籍校と共有され、フリースクールと学校は連携しながら子どもを見守っていきます。

フリースクールの出席が学校の出席扱いになることも

学校の長期欠席が成績表に響くのではないかと気になるかもしれませんが、フリースクールへの出席が学校への出席としてカウントされることもあります。

在籍校の校長先生の判断によるので、学校とよく話し合うことが大切です。

卒業資格は「在籍校の卒業生」

不登校になると、小学校の卒業資格が得られないのではないかと心配する方もいますが、そのようなことはないので安心してください。

小学校は義務教育のため、必ず卒業することができます。卒業の資格はフリースクールの卒業生としてではなく、在籍校の卒業生ということになります。

規模や活動内容はさまざま

フリースクールを運営するのは、民間の団体や施設です。個人、任意団体、NPO法人、企業など、さまざまなところが運営しており、規模や活動内容はそれぞれ異なります。

フリースクールにかかる費用

フリースクールは民間運営のため、費用がかかります。

月額30,000~40,000円程度のところが多いようですが、それより安価なところも高価なところもあります。

月額費用のほかに、体験活動のための費用が別途かかることもあります。

フリースクールと学校の学び方には、どのような違いがある?

フリースクールと学校との違いについて、具体的に説明していきましょう。

学習は個別指導が中心

フリースクールでの学習は基本的に個別指導となります。

わからなくなったところまでさかのぼり、丁寧に指導をしてくれます。学習が理解できるようになることで自信を取り戻し、元気になっていく子どももたくさんいます。

学習以外の活動をして過ごしてもOK

学校生活に疲弊してエネルギーが低下していると、勉強する元気が出てこないということもあります。そのようなときは、まず子どもが安心して過ごせる環境が必要になります。

フリースクールでは、本やマンガを読んだり、先生や友達とおしゃべりをしたりして、ゆっくり過ごすのもOKです。自由に過ごすことで、子どものエネルギーが徐々に回復していくことを目指します。

比較的子どもの自由にまかされる

基本的にフリースクールへの出欠は自由です。自分の好きな科目や活動だけ出席する、朝起きるのが苦手なら午後から行く、今日は勉強しないで本を読むなど、過ごし方は比較的子どもの自由にまかされています。

興味のある分野を専門的に学べることもある

英語教室、プログラミング教室、ダンススクール、音楽教室などが運営しているフリースクールでは、子どもの好きな専門分野を学ぶこともできます。好きなことや得意なことがある子どもは、より楽しく通うことができるでしょう。

専門家が常駐しているケースも

不登校になる子どもの中には心の傷を抱えている子も多く、適切なケアが求められます。心理の専門家が常駐しているフリースクールでは、いつでも子どもや保護者の相談に乗ってもらえます。

また、発達障害の子どもをケアするために、医療機関と連携しているフリースクールもあります。特別な配慮が必要な場合は、そういったフリースクールを選ぶとよいでしょう。

同じような経験をした仲間がいる

学校へ行けないという経験をした子どもは、全体から見ると少数派のため、子どもは「自分だけ普通じゃない」という思いを抱えてしまいがちです。

フリースクールへ行くと、同じような経験をした仲間と出会うことができます。少し先を行く先輩がいると、学校へ行かなくても道が開けていることがわかり、安心することができるでしょう。

保護者にとっても、同様な家庭があることを知る機会となり、子どもをサポートしていくうえでも大きな意味を持つものです。

フリースクールだからこその「学び」もある

学校には学校のよさがありますが、フリースクールだからこそ学べることもあります。

自分のペースで学習できる

学校は基本的に一斉授業のため、内容が簡単すぎて退屈してしまう子や、反対にスピードが速すぎてついていけない子が出てきてしまいます。

フリースクールでは、子どものペースで学習できるため、内容が理解しやすいというメリットがあります。

理解のある大人がいるため元気が回復しやすい

学校へ行かなくなった当初は、元気がなくなり何事にも取り組む気力が失われていることが多いものです。フリースクールの先生たちは、子どもたちが元気のない状態だということをよく理解しており、接し方にも慣れています。

学校ではうまく対応してもらえなかったことにもスムーズに対応してもらえることもあるため、子どもの元気が回復しやすいといえます。

「自分で決める」習慣が身につく

学校ではある程度の規律が必要なため、指示されて行動することも多いものです。一方、フリースクールは、基本的に自分の行動は自分で決める自由があります。

何を勉強するか、今日は欠席しようか、何時から行こうか、何をして時間を過ごすか……など、自分の意思で行動することが増え、自分で判断して決める力が身についていきます。

外へ出るのが難しい段階なら、オンライン学習という方法も

不登校の子どもの中には、外出に不安があり、家から出るのが難しいという段階にいる子どももいます。フリースクールをすすめてもまだその時期ではない場合は、家庭学習だけでもしておくと安心感が高まるでしょう。

家庭学習をお考えの際は、自宅にいながらオンラインで学べる「ことばパーク」のご活用をぜひご検討ください。

執筆者:五十嵐麻弥子

参考資料

1) 「フリースクールとはどんな学校のこと?授業内容や特徴についてご紹介」ママソレ.

https://mama.chintaistyle.jp/article/free-school

2) 「フリースクールとは?費用や単位・学歴の扱い、過ごし方などを解説」未来地図.

https://miraitizu.com/knowledge/983

3) 「不登校の第二の学び場所!フリースクールの解説と選ぶ際のポイント」家庭教師のあすなろ.

https://www.seisekiup.net/column/refusal/1697

4) 「フリースクールの小学校はどんなところ?特徴9つ!」mamarina.

https://mamarina.jp/kosodate/free-primary-school.html