子どもの家庭学習としてリビング学習を考えている方や、実際に行っている方も多いことでしょう。実際のところ、リビング学習にはどのようなよさがあるのでしょうか。リビング学習のメリットとデメリット、また、レイアウトのポイントなどについてまとめます。
まずは、リビング学習のメリットとデメリットを見ていきましょう。
学校から帰ってきてランドセルを置き、そのまますぐ勉強に取りかかれるのがリビング学習のよいところです。子ども部屋に移動するというひと手間が、勉強を面倒に感じる一つの要因となります。ひと手間少ないリビング学習なら、勉強へのハードルは低くなるでしょう。
勉強をしていると、内容がよくわからなくなったり、ふと疑問に感じたりすることが出てくるものです。リビングで勉強していると、そばにいる家族に気軽に質問をすることができます。勉強内容に直接関わることだけではなく、勉強をしていて疑問に感じたことから興味が深まり、世界が広がっていく可能性もあります。気軽に家族とコミュニケーションがとれるのは、リビング学習のよさといえます。
保護者の立場からすると、子どもが勉強している様子を見守れるのもよいところです。内容がわからなくて苦戦しているならフォローすることができ、気が散っている様子なら休憩するよう声をかけたり、「もう少しがんばってみようか」と励ましたりすることもできるでしょう。
子どもによっては、一人でいること自体に寂しさや不安を感じることもあります。特に低学年の間は、保護者が同じ空間にいることで安心できる子どもも多いものです。子どもが安心して勉強できるのは、リビング学習のよさといえるでしょう。
適度な雑音のある中で勉強する習慣がついていると、集中力を鍛えることができます。保護者が仕事をしていたり、キッチンで料理や片付けをしていたりするリビングの環境は、集中力をはぐくむうえで効果的といえるでしょう。
勉強しているときに、自分以外の家族が話をしていると、子どももおしゃべりに参加したくなってしまいます。家族とコミュニケーションをとれるのはリビング学習のよさですが、おしゃべりに夢中になって勉強の手が止まってしまうことがあります。
子どもが勉強している様子を見ていると、ついつい口出ししたくなることもあるものです。ちょっと休憩していると「サボらないでどんどんやりなさい」などと言いたくなり、子どものペースを乱してしまうこともあります。
保護者が家事をしていたり他のきょうだいが遊んでいたりすると、家族の様子が気になってしまうこともあるでしょう。また、近くにゲームやおもちゃなどがあると、遊びたくなって勉強に集中できなくなってしまいます。
ダイニングテーブルで勉強していると、教科書やノート、文房具などが広がり、片付けるのに時間がかかります。また、消しゴムのカスなどのゴミが出て、テーブルが汚れてしまうこともあるでしょう。
リラックスして過ごせるよう、リビングの照明を暗めにしている家庭もあるかもしれません。ただ、子どもが勉強するには暗すぎるケースもあり、注意が必要です。
リビング学習の効果を高めるためにできることについて、ご紹介しましょう。
子どもが勉強に集中できるよう、勉強中は家族も静かに過ごすよう気を配りましょう。音の出るゲームはしない、テレビは消す、電話はしない、年下のきょうだいは他の部屋で遊ばせるなどの配慮が必要です。
リビングの中に子どもの興味を引くようなものがあると、どうしても気が散ってしまいます。ゲームやおもちゃはおもちゃ箱などにしまう、パーテーションで隠すなどの工夫をしましょう。
「見守り」が「監視」になってしまわないよう気をつけることも大切です。「早くやりなさい」「もっときれいに書かないと」「集中しないとダメでしょ」などと矢継ぎ早に言われると、子どもは勉強することが嫌になってしまいます。
ダイニングテーブルは広くて使いやすい反面、椅子の高さが勉強には適していなかったり、片付かなくて困ったりすることもあります。そのようなときは、別に学習用の机を用意することを検討しましょう。あまり場所をとらないサイズの学習机なら、リビングとの調和もとれるはずです。また、専用の机があることで、子どもも勉強に集中しやすくなるでしょう。
リビングの照明が暗いと勉強しにくいものです。子どもの視力にも関わるため、電気スタンドを利用するなど手元が暗くならないような工夫をしましょう。
リビングに学習机を置く場合、気をつけておきたいレイアウトのポイントをまとめます。
リビングは家族が生活する場でもあります。学習机は生活導線をふさがない場所に置くことが大切です。ダイニングテーブルやソファなど、家族がよく使う場所を避けて置くようにします。
壁をうまく利用するのも一つの方法です。壁に向かって机を置くと、リビングの中にある余計なものが目に入らないため集中しやすくなります。また、壁に九九の表や地図などを貼ることもできます。
リビングを圧迫しないよう、勉強机はコンパクトサイズを選ぶとよいでしょう。生活導線をふさがないという意味でも、奥行が50cm前後のものがおすすめです。
子どもの様子を見守ることができるよう、保護者の目が届く位置に学習机を置きましょう。子どもも保護者が見てくれていることを感じながら、安心して勉強することができるはずです。
保護者の目が届く自宅学習を習慣化するなら、オンライン学習もおすすめです。オンライン学習を検討される場合は、自宅での学力アップをサポートする「ことばパーク」をぜひ、ご利用ください。
執筆者:フリーライター/不登校支援カウンセラー 五十嵐麻弥子
参考資料
1) 「リビング学習のメリット・デメリットとは?おすすめレイアウトや環境作りのコツを紹介」Gridmark.
https://gridmark.co.jp/column/2023/4836
2) 「リビング学習とは?子供の学習環境を整える方法」リビナビ.
https://www.daiken.jp/livinavi/column/article001.html
3) 「リビング学習おすすめ間取り&レイアウトリアルな実例紹介も!」リビナビ.
https://www.daiken.jp/livinavi/column/article003.html
4) 「リビング学習をするメリットは?勉強しやすいレイアウトのポイントも解説!」楽天Mamaslife.
https://event.rakuten.co.jp/family/story/article/2022/living-room-studying