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学校が終わったあとの放課後の過ごし方は、保護者が子どもだったころとは異なってきています。令和の子どもたちは、どのように放課後を過ごしているのでしょうか。放課後の居場所や過ごし方について、実際の調査を参考にご紹介していきましょう。

放課後は「自宅で過ごす」という子どもが多い

調査から見た放課後の過ごし方についてご紹介します。

放課後の居場所とは

学研教育総合研究所の調査(※1)によると、放課後の居場所として最も多いのは「自宅」となっています。次いで、公園や運動場、友達の家、習い事と続きます。

その他、子どもたちは、学校、塾、親戚の家、図書館、公共施設などで放課後を過ごしています。

(※1) 学研教育総合研究所「小学生の日常生活・学習に関する調査」

https://www.gakken.jp/kyouikusouken/whitepaper/202209/chapter9/06.html

自宅で過ごすことが多い理由

共働き家庭が増えているのに自宅で過ごす子どもが多いのは、リモートワークの増加により、自宅で仕事ができる保護者が増えてきたことも関わっている可能性があります。また、子どもが低学年のうちは、ワークライフバランスを考えて仕事をセーブするという人もいるでしょう。

インターネットの発展により、外出しなくても楽しめる遊びが増えてきたことも、自宅が居場所として選ばれている理由の一つと考えられます。

低学年と高学年では異なる放課後の過ごし方

放課後の過ごし方は、低学年と高学年では異なってきます。たとえば、学童保育は小学1年生では自宅に次いで2番目に多く、放課後の居場所として選ばれています。高学年になると友達と過ごす割合が多くなり、公園や友達の家で過ごす子どもが増えていきます。

低学年は学童や習い事、高学年は友達とのつきあいや学習塾など

低学年と高学年の過ごし方の違いについて、もう少し詳しく見ていきましょう。

低学年の放課後の過ごし方

学童保育(放課後児童クラブ)

保護者がフルタイムで働いている家庭では、学童保育を利用することが多いといえます。前述の調査では、学童クラブで放課後を過ごしている1年生は23.5%、2年生は18%となっており、低学年での需要は高いといえます。子どもを見守る職員が常駐していて、おやつの時間や勉強の時間などが設定されており(学習指導は行いません)、保護者は仕事が終わるまで安心して子どもを預けることができます。

学童には、公立公営(自治体が設立し運営している)、公立民営(自治体が設立し運営は民間に委託している)、民間民営(民間が設立し運営している)の3種類があります。

公立公営と公立民営は、料金が安く同じ学校の友達が比較的多いのが魅力ですが、入所には条件や審査があります。

一方、民間民営は企業やNPOなどが設立・運営を行います。料金は公立と比較して高いものの、送迎サービスや習い事の併設といった独自のサービスがある、入所の際のハードルが低いなどの特徴があります。

勉強以外の習い事

低学年の間は、勉強以外の習い事をする子どもも多い傾向にあります。中には、いくつもの習い事を掛け持ちして1週間を過ごすという子どももいます。習い事に行っていると、子どもの居場所がはっきりしているため、保護者としては安心といえます。ただ、月謝がかかる、低学年のうちは送り迎えが必要といった面もあります。費用や時間的な負担などとのバランスを考え、放課後の過ごし方としてうまく活用できるとよいでしょう。

高学年の放課後の過ごし方

友達と遊ぶ

高学年になると、友達と一緒に公園で過ごしたり、お互いの家で遊んだりして放課後を過ごす子どもが多くなります。成長するにつれて、友達との関わりが大切になってくるためと考えられます。

学習塾

勉強が難しくなってくる4年生ごろから、学習塾に通う子どもも多くなります。一般的には週2~3回通うことが多いようですが、受験をする場合はさらに通う日数が増え、塾で放課後を過ごす子どもの割合も多くなります。また、自習室がある塾は授業がない日も利用できるため、放課後は自習室で勉強するという子どももいるようです。

習い事の練習

子ども自身が習い事に熱心に取り組んでいると、学年が上がるごとに練習内容が本格的になっていきます。サッカー、野球、水泳、バレエ、ダンスなどの習い事は、試合や大会出場のため練習に多くの時間を割くようになります。

放課後の過ごし方で保護者が困ることと、その対応策について

子どもの放課後の過ごし方について、保護者が抱えている困りごとについて見ていきましょう。

学童に入れない

自宅で過ごす子どもが増えたとはいえ、低学年では学童を利用したいという家庭は多いものです。実際に、学童の待機児童が増えているのも事実です(※2)。今まで保育園を利用していた家庭が、小学校に入ったとたん子どもの預け先に困るという問題もあるようです。民間学童を利用する、ベビーシッターを頼むなどして乗り切ることを検討しましょう。

厚生労働省「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」

https://www.mhlw.go.jp/content/11921000/001029590.pdf

目が行き届きにくくなる

小学校に入ると子ども同士で遊ぶようになるため、保育園や幼稚園のときよりも、子どもに目が行き届きにくくなります。保護者の知らない遠い公園まで行ってしまったり、繁華街に出てしまったりする可能性もあります。

遊びに行く前には、誰とどこに行くのかをよく確認しておくことが大切です。

保護者同士の連絡先が交換できていない

子ども同士は友達でも、保護者同士が連絡先を交換できていないことがあります。そのため、知らない友達の家に行ったり、反対に友達が自宅に来たりすることがあったとき、マナーや対応に困るというケースがあります。

保護者会や授業参観などの機会を利用して、保護者同士で連絡をとれるようにしておけるとよいでしょう。

災害が起きたときの対応や連絡の取り方

自宅に子どもだけでいるときや、子どもの外出先で災害が起きたときが心配という保護者もいるでしょう。

日ごろから、災害に見舞われたときの対応をよく話し合い、準備をしておくことが大切です。また、子ども用の携帯電話を持たせるのもよいでしょう。

放課後は、自宅でゆっくり過ごす時間も大切に

放課後、習い事や学習塾など居場所がはっきりしているのは安心ですが、あまりスケジュールがきつすぎると子どもが疲れてしまうこともあります。

自宅でゆっくり過ごす時間も確保しながら、放課後の過ごし方を考えていけるとよいでしょう。

自宅にいながら学習を進めたいとお考えの場合は、オンライン学習もおすすめです。オンライン学習のことばパークは、お子さまと双方向にやり取りをしながら丁寧に学習を進めます。自宅学習の一助として、ことばパークをぜひご利用ください。

執筆者:フリーライター/不登校支援カウンセラー 五十嵐麻弥子

参考資料

1) 「小学生の放課後の過ごし方は?学童は何年生までなのか影響も解説」コエテコ.

https://coeteco.jp/articles/10977

2) 「【体験談あり】小学生は放課後どこで、何をしている?学童?調査結果と体験談をもとにまとめてみました」HAMIC.

https://hamic.ai/blogs/hamiccommunication/houkago-kodomo

3) 「小学生におすすめの放課後の過ごし方4つ|保護者の悩み3つを詳しくご紹介」ちょこまな.

https://b-engineer.co.jp/chokomana/e-s-student/e-s-education/1104746

4) 「小学生の日常生活・学習に関する調査」学研教育総合研究所.

https://www.gakken.jp/kyouikusouken/whitepaper/202209/chapter9/06.html

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